雑貨店 enさん(太宰府)でブックカバーのお取り使い開始しました。

福岡県太宰府市にある竈門神社は、天智天皇が大宰府を現在の地に移転した時に創建された由緒ある神社です。大宰府政庁から見て北東にある宝満山にある竈門神社は、鬼門から太宰府を守る鎮守として古来から人々の信仰を受けてきました。西鉄太宰府駅から徒歩40分程度の距離ですが、春は桜、秋は紅葉に恵まれる竈門神社を多くの方が訪れます。

その竈門神社の参道にある雑貨店・enさんは、福岡・九州の作家さんの作品を中心としたハンドメイド品を集めたお店です。お店には時々近所の猫さんが遊びに来ていますが、品揃えも猫をテーマとしたものが中心です。

テラスで店主さんが手作りしたお菓子やコーヒーなどを楽しむこともできます。店主さんが手作りした猫さんクッキーは造形がかわいいだけでなく美味しいです。

2019年のお正月から当店のブックカバーも置いていただくことになりました。サイズは文庫で、表柄は猫中心です。裏地に地元福岡産の久留米絣を使ったもの出しています。

お店の名前は、竈門神社が縁結びの神様として知られていることからきています。竈門神社は2012年に社務所リニューアルしてから参拝者が増えています。参道や周辺にはenさんの他にも、こだわりの個人経営のお店が点在しています。

太宰府に来られる方はぜひ竈門神社とenさんにもお立ち寄りください。もしかしたら店内で猫さんに会えるかもしれません。

【アクセス】
詳しくは竈門神社の交通案内をご覧ください。

西鉄太宰府駅からは、天満宮前のセブンイレブンのバス亭からコミュニティバス「まほろば」号で約15分、徒歩では約40分です。徒歩の場合は、太宰府駅⇒太宰府天満宮境内⇒九州国立博物館を抜ける⇒県道610号の遊歩道を北東へ直進⇒「九州国立博物館入口」の交差点を渡る⇒レストラン「人と木」さんなどのがある小道を北東へ進む⇒竈門神社参道、のルートがおすすめです。

住所:福岡県太宰府市内山653-2

【営業】
12時~17時(月曜日定休)

Facebook: https://www.facebook.com/en653/
Instagram: https://www.instagram.com/en_dazaifu/

電話:070-5699-1514

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The Hand-made goods shop “en” in Dazaifu, Fukuoka Prefecture has startded to sell our book-covers on the new year season 2019. Dazaifu is well known historical area in Kyushu, south of Japan Islands. “en” is near the Kamado shrine established about 1300 years ago. Open from 12 to 17(Monday closed).

『サルと屋久島』刊行によせて

『サルと屋久島 ヤクザル調査隊とフィールドワーク』
刊行によせて

2018年12月に発売されたヤクザル調査隊調査開始30周年を記念した書籍『サルと屋久島 ヤクザル調査隊とフィールドワーク』。著者松原始氏と半谷吾郎氏に刊行にあたって、本書の紹介をご寄稿いただきました。

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松原始

松原始、2000年、フェリー屋久島2にて。

ヤクザル調査隊は1989年より、屋久島に住むニホンザルであるヤクシマザルの生態を調査し続けてきました。この調査隊には山極寿一をはじめ研究者が多く関わりましたが、学生たちが自主的に運営や研究を担いながら続けてきた調査チームでもあります。現時点で参加者はのべ1364人にのぼりました。
また、その成果はヤクシマザルの個体数推定や保全へのコミット、ほとんど調査されていなかった屋久島山頂部までの連続的な分布実態の解明、そして屋久島上部域のニホンザルの個体群動態の追跡調査と多岐にわたっています。

航路から見た屋久島の全景(1996年)

本書の特徴は、学術的な成果を紹介するのみならず、調査員の目から見た現実、現場視線の「ヤクザル調査隊の様子」が描写されていることです。サイエンス・ノンフィクションでありながら、一種のアウトドアエッセイ、冒険物語としても読むことができるでしょう。等身大の若者たちがたゆまず積み重ねてきた努力が、一つの科学的成果へと昇華する瞬間―それも本書のテーマであり、それこそがフィールドワークと研究の真の姿です。

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半谷吾郎

半谷吾郎、1995年、屋久島・宮之浦港にて。

世界自然遺産の島、屋久島は、2000メートル近い標高差に応じた植生の垂直分布を、その最大の特徴とします。亜熱帯性植物の混じる低地の照葉樹林から、中腹にある樹齢数千年のヤクスギの巨木の森、山頂部のヤクシマヤダケ草原まで、その多様な環境のすべてに、ニホンザルが暮らしています。ヤクザル調査隊は、屋久島のニホンザル分布の解明を目的として、1989年に結成されました。

1992年、屋久島・永田から見る朝日。

この調査隊では、プロの研究者だけでなく、ボランティアで参加した学生が運営の中心となり、マンパワーを最大の武器として調査してきました。1990年代に、屋久島全域のニホンザル分布を明らかにし、その後、西部のヤクスギの森に長期調査地を設置し、個体数変動の調査を継続しています。30年に及ぶ調査を通じ、ニホンザルの社会が、長期に渡ってどう変動しているのか、世界的にも貴重なデータを蓄積してきました。本書は、この調査隊の歴史を、霊長類学者であり現在の調査隊の事務局を勤める半谷吾郎が、調査のエピソードを、元調査隊メンバーで現在は鳥類学者の松原始が執筆しました。

著者(半谷吾郎)ホームページ: http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/shakai-seitai/ecolcons/hanya/
ヤクザル調査隊ホームページ: http://yakuzaru.php.xdomain.jp/index.htm

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1993年の調査時、台風の影響で川のようになった林道。

定点に現れたサル、1994年、屋久島。