京都・木屋町 ミック(Mick)ー書籍『カラス学者の回想録』ゆかりのお店紹介

松原始先生の著書『カラス学者の回想録』は京都 百万遍にあった伝説的な地下バー「ミック (mick) 」を中心に描いています。

百万遍ミックは2011年に閉店していますが、流れを受け継いだ店が京都河原町駅の北側の繁華街・木屋町の中にあります。

“木屋町 ミック”

百万遍ミックは開店当初から安藤郁也さん安藤一枝さんご夫妻による共同経営でしたが、妻の一枝さんが独立して1974年にオープンしたのがこの #木屋町ミック です。

場所は西木屋町のナイトバー街の中。Google mapsでは「木屋町 ミック」とご検索ください。

現在のオーナーは馬渕さん。常連さんお嬢様で、2017年に一枝さんからお店を継承して経営されています。

入り口のドアの上には郁也さんがブリューゲルの絵をモチーフにデザインした実にかっこいい看板があります(老朽化で中に入れたそうです)。お店が別になっても郁也さんと一枝さんは仲が良く、折々で協力されていたそうです。

お店に入るとウィリアム・モリスの意匠で張り巡らせた天井の壁紙が印象的です。これは馬渕さんがコロナ期に整備したものですが、入店した時から非日常感に浸れます。

馬渕さんはお酒があまり飲めない管理人と店長相手にも優しい接客と興味深いお話を続けてくださり、さすが大人の社交場のオーナー。淹れてくださったコーヒーも美味しかったです。

木屋町ミックのお客さんは一枝さんが独立後から 京大生の客がついてたこともあり今も京大OB が多いとのこと。

郁也さんは京都の伝説的なキャバレー「ベラミ 」の元バーテンダーでかなりのプレイボーイ、一枝さんも京大生男子たちがクラクラするような「大人の女性」。

カッコいい安藤夫妻、ミックを引き継いだ馬渕さん。お三人ともアートを愛し、人がリラックスして過ごせる社交の場所をつくっています。

営業日時はInstagramのアカウントをご検索ください。基本的は19時スタートで0時30分ラストオーダー。

住所: 京都府京都市中京区紙屋町373−1 紙屋会館2階

2024年は木屋町ミックが開店50周年。百万遍ミックの伝統も入ったこの木屋町ミックが世代を超えた社交場として続くことを願ってやみません。

新刊書籍『カラス学者の回想録』発売について

2022年5月にカラス学者として著名な松原始先生の新著『カラス学者の回想録』を発売しました。

舞台は京都大学とその所在地・京都市左京区百万遍。当店で出版した『カラスと京都』の姉妹編でもあります。

 

本書は一言でいえば2000年代以降失われつつある学生たちの「場」を描いたものです。

戦前のエリートたちの旧制高校から団塊の世代の学生運動が最高潮に達した1960年代まで、大学には学生文化があり学生たちが集い暮らす学生街が大都市圏に存在し、漫画をはじめとするサブカルチャー文化の揺籃地となっていました。しかしながら、西の百万遍、東の早稲田のような古くからの学生街は2000年代から急速に進行した少子高齢化やコミュニケーションのIT化、都心回帰による土地開発などによって、コミュニティとしての性質を失いつつあります。

著者は現在カラス研究者として知られる松原始博士。生態観察さながらの冷静な視点で、1990年代~2000年代はじめの自由な京大カルチャー、理学部生の学生の生態と学生街としての百万遍の情景を点描したエッセイです。

百万遍の地下のバーで古生物の進化と分裂を夢想していた理学生―
スティーブン・J・グールドの『ワンダフル・ライフ』によって90年代当時の生物界でブームとなったカンブリア紀の爆発進化についての思索も挿入されています。

この本は「ミック(Mick)」「ふぁんてん」「おらんじゅ」「ひらがな館」「北白川バッティングセンター」をはじめとした、学生街としての百万遍を形成していた場所の記録・回想録でもあります。

お取扱店・書誌情報は下記のページをご観ください
https://tabisurumishinten.com/?page_id=5131

本書を手にとっていただいた方にとって、この本が精神的・物理的な「たまり場」への少しばかりのいざないになれば制作者として幸甚に存じます。

e-honさん専売モデルのブックカバーを出しました

出版流通会社トーハンさんが運営するオンライン書店「e-hon」さんで、そこでしか買えない専売モデルのブックカバーを出品しています。3種類あり、表紙裏側(ソデ)のポケット面に「e-hon」マークをスタンプしています。

文庫サイズ※ブックカバー:番線印(書店さんが本を注文するためのハンコ)を押す読書犬タイペイくん】
※ハヤカワ文庫に対応しています。

https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008244388

新書サイズブックカバー:本を読む読書犬タイペイくん】

https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008244351

四六判ソフトカバーサイズブックカバー:書棚を整理する読書犬タイペイくん】

https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008244389

ブックカバーは旅するミシン店の通販部と同様に裏地のセレクトはランダムになります。また手押しプリントはどうしても個体差が出ますので、何卒ご承知おきくださいませ。

e-honさんには当店発刊の書籍も出品しています。

【カラスといっしょ】
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008232008

【カラスと京都】
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008232007

【サルと屋久島】
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008244495

【カラスの毎日】
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008244590

【カラス学者の回想録】
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008244390

【2022 旅するミシン店カレンダー】
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e-honさんは書店受け取りをベースとしたオンライン書店システムです。本を受け取る「My書店」を選んでお受け取りができます。手数料は無料、My書店で現金や図書カードでの決済も可能です。

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在庫があれば注文から1~2日程度で到着します。My書店さんの売上にもなりますので、ぜひMy書店さんでのお受け取りをご利用ください。