谷中からまた一つ古い建物が過ぎ去る。

谷根千エリアの象徴の一つであるへび道。藍染川という小川を暗渠化してできた道なので、川のうねりそのままにくねくね曲がっていて、独特な滞在感があるところです。

そのへび道を上野方面へ抜けたたところに、知る人ぞ知る古い長屋がありました。

写真の牛乳屋さんの隣には質感のある革小物で知られている「Leprotto」さんが入っていましたが、今春よみせ通りエリアに移転されています。

Leprottoさんの前には、伝説となっている手づくり衣料店「青空洋品店」さんが入っていました。もともと静かな住宅街である谷根千エリアでは、古い建物をリノベーションした個性的なお店の開業が続いていますが、そのムーブメントの先駆けとなったお店の一つが青空洋品店さんであり、多くの人の記憶に残っています。

牛乳屋さんのとなりにある「蛇の目寿司」さんは知る人ぞ知る名店で、贔屓にしている遠方の方や芸能人も多数いました。こちらも冬に閉店されました。

地域の事情通の方にお伺いしたところ、この長屋は取り壊しが決定し入居している店が全て退去されたとのことです。取り壊しは3.11の地震の影響とのこと。

以前にも染物店「丁子屋」さんが地震の影響で建て替えが決まったという記事を書きましが、古い建物は安全上の問題が深刻なので、保存が難しい状況です。

私たちも日々変わりゆく街の中で、愛するものがいつまであるとは限らないということも受け入れて、今あるものを目にしている時間を大切にしたいものです。